6・暴露の日

『スピード型、攻撃特化型、広範囲戦略型の3パターンにチェンジできる多機能ロボ…。』
『性能まで…!』
『これは序の口だよ。』「!?」
多分、私達が驚いているのを見抜いているよ、この人。

『まあそれは後だ。広範囲戦略型のパターン、【フラワー】にチェンジしてもらえないかな?』
チェンジを促してきた?「どういう事…?」
『俺は自分と同じ能力の敵との差を開けたくなくてな。要は敵味方平等なハンデを設けたい。』
…もしかしたら、この人は話し合ったら、わかり合えるかも。
「和希兄ちゃん、勇希兄ちゃん。私に任せて。」
『未衣子、大丈夫か?』
「大丈夫だよ。」
『相手の要求を飲まなくてもいいぜ!アイツは…。』
「物分かりはすごくいいみたいだよ。」
『むしろ危険性は高い気がするんだが…。』

『チェンジをしないのならば、俺は撤退するぞ?どうする?敵を逃すと大変なのは君達だろう?』
会話をミュートにした方がいいと思える程の地獄耳だ、この人。
この人の言う通りならば、私達はHR、誇張すると[宇宙犯罪者]なる問題児を逃してしまう恐れがある。
そうなれば、地球が破壊されるかもだし、宇宙の星々も砕く残酷な結末が待っているだろう。

そうは、させない。
「わかりました。すぐにやろう。兄ちゃん達。」
『え』『わ、わかった。』
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