6・暴露の日

『すみません!改修作業をしていて…』
『まあ、行き来せなあかんもんな…。』

『隊長、今度は…』「あの三角槍…土星圏ニコンの物だな。」
『流石にまずいのでは…』
「土星人のロボはHRではない。ラルクを焦らせろ。俺は…別の所へ行く。」
マルロは指定席から立ち上がった。
マルロは個室を出た後、通路奥のエレベーターに入った。
この宇宙船は、エレベーター内にモニターがあった。
彼が見たのは、3機のカラフルなジェット機が真正面に向かう映像だ。
エレベーターが止まると、マルロはすぐに目の前の小型輸送機へ乗り移った。
「地球産ロボはどこに誘導した?」『愛嬌市北部です。』
「ならば北部へ向かう。それまで時間稼ぎしてくれ。俺は…【パスティーユ】を潰す。」

小型輸送機の前方、宇宙船の後部ハッチが開かれた。
そこは、武人達からは死角の場所にあたり、彼らがマルロの行動を察知できないように工夫されていた。
(レーダーでバレるだろうが。)
マルロは敵に察知される可能性があると疑っていた。
だがその対策をとるように、部下のHRを大量に配置したのだ。
一言で言えば総力戦。後悔のない戦闘準備を進めてきた。
(電波障害も気づくだろうが、解除は不可能だ。よほどの実力者でない限り、電波に逆らえる者などいない。)
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