6・暴露の日

☆☆☆
誰かとお喋りするのが、こんなに楽しいとは思わなかった。
丸井君との初対面の日に感じた事だった。
下校の時も[ラストコア]に行った時も、この時はかなりウキウキで浮かれていたんだろう、と思った。

あまり身が入らず、やる事だけやってすぐ帰宅。
最近それが多くなった。
丸井君は聞き上手だよ。
どんなに些細な内容でも、共感を持ってくれる。
2人の兄達も、未衣子に久々の友達ができた!と喜んでくれるし。
嫌いな学校に楽しみができて、丸井君には感謝しかなかった。
こんな充実した毎日が、続くといいなあ。
私の頭はそんな願いでいっぱいだったのに。

HRの襲撃があった。
この日も学校で、丸井君と仲良くしながら勉強していた。
襲撃は昼休みの最中。
丸井君に先生への連絡をお願いしてから、現場に向かう予定だった。
丸井君の周りを、白い光の輪が、台風のように現れた。
吹き飛ばされないよう、私は必死に踏ん張った。
輪は丸井君を包むように太くなっていき、一定時間経つと、輪は引き裂けてなくなった。
輪の中にいたのは…丸井君ではなく、丸井君に似た…ロッドを持った和装の男の子だった。

「丸井…君?」
私は仰天した。
丸井君は魔法使いらしい。
もしかして共に戦うの?と期待していたのに。
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