5・酔狂の日

「宇宙へ上がるまでに、【パスティーユ】シリーズ等、戦力を補強せんとあかん。ジェームズは今も軍の基地や刑務所とかに足を運んどる。」
武人は一気にお茶を飲み干した。

「ジェームズ氏だが、現況報告ついでに土産話を持ってきたそうだが。」
「土産?ああ、宗太郎から聞いたんやったわ。」
「なんだ。知っていたのか。」
「土産より労い事やけどなあ…。お前、お酒あかんやろ?」
『お酒』のキーワードでアレックスは何かを察した。
「…宴会場の予約でも取れたんだろ。」
「やっぱ察しがええなぁ。どうや?せめてちょっとのぞいてみるのも…」
「興味がない、と何度も言ってるだろ。」
アレックスは即答で返した。
「お前の事やから、要領よく人使っとるやろうけど…たまには気分転換もせなあかんで。」
「安心しろ。俺なりに気分転換している。外で騒ぐより、内でのんびりする方が楽なんだ。」
「そうやったな。じゃあ次のミーティングで欠席する言うわな?」
「そうしてくれ。」
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