5・酔狂の日

額は熱くないが、汗は残っていた。
「移転前の遊園地の事故か…。」
「あれは沢山の人を巻き込みすぎたんや。もう無駄に傷付けるのは止めようって、誓ったんやけど。」
「あれはお前が原因ではないだろう?」
「アイツの元部下である以上は、俺が原因や。」

アレックスはタブレットを台に置いた。
研究室の隅のキッチン台に、アレックスは向かった。
冷蔵庫の中から、お茶のボトルを取り出した。
コップに注いでいると、武人がまた口を開いた。
「遊園地だけやない。昨今の襲撃事件もや。今は技術発展のおかげで被害は抑えてる。せやけど…。」
「大地の破壊は、どうしようもないのが現状だ。」
アレックスがお茶の入ったコップを持ってきた。
武人はゆっくりと起き上がった。
アレックスからコップを受け取り、一口飲んだ。

「…再び、宇宙に上がれるとええな…。いや、上がらんとあかん。受け身の姿勢では、いつか滅ぶでこの星は。」
「司令も連合等には申請を出してはいるが…。」
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