5・酔狂の日

リュートにはそう言ったが、武人は柵を乗り越えていた。
「宴会はおしまい。すぐに宗太郎に知らせや。こっちは警報を鳴らすように言うわ。」
「待て、お前が溺れ…。」
既に武人が飛び込んで、水飛沫をあげた。
川の深度は深く、ギリギリだがHR形態で泳ぐ動作は可能だった。
リュートは川から離れ、右腕の時計型の通信機を起動した。
通信相手は宗太郎。
走りながら、リュートは時計に向けて大声で言った。
「西条司令、至急警報をお願いしたい!HRです![宇宙犯罪者]の類いであろうかと…。」
『何だと!?』
通信先の居酒屋内はさらに騒がしくなった。
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