5・酔狂の日

結果はニシアの期待を裏切る形になった。

「断る。俺はお前が信用でけへん。たかだか若年期に1戦交えただけの奴に。」「なっ…!」
ニシアは武人から瞬時に離れた。
微笑みの表情は驚愕の表情に変わった。
「私とあなたで協力すれば、他のHRなんて…」
ニシアは簡単に引き下がらなかった。
「潔白な奴ならまだ同情の余地はある。お前は黒い影がある。俺には見える。それに、」
今度は武人がニシアを引き寄せた。顎を親指でグイッと上げて。
「お前、『オス』やろ?性別詐称してまで俺に近づくなや。
わかってる。お前が俺を憎んでいるのは。」
この発言はニシアの怒りを頂点にさせた。
「もういいわ、あなたの望み通りにしてあげる。私が苦しめてあげるわ!」
ニシアは石の柵を乗り越え、川の中へ飛び込んだ。
入れ違いでリュートが駆けつけた。
「遅かったか!」
指で挟める程の極小の槍を持ったリュートだが、武人の腕が制止を促した。
「何故だ!」
「そのままやと溺れるで?」
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