5・酔狂の日

何で、何でなんだ、エトラトル!
『ごめんなさいラルク。ずっと黙っていて…でも、貴方には生きていてほしいの。』
今の戦闘は俺の故郷の話だ!
お前には関係ないんだ!
『私は戦う能力は持っていないの。側にいるだけでは、貴方は救われないわ。』
俺は十分だ!お前がいるだけでも幸せだった!
『ありがとう。でも、遅いわ。』
遅くはない!今すぐ能力を解放するのは止めよう!
お前がHRだったとしても、俺は責めたりしない!
お前だけでも生き延びてくれ!
『生き延びるのは貴方よ。ラルク。どうか…私の血筋である青い星の民を、幸福な世界へと導いてあげて…。』
『大丈夫…。私は貴方の中にいる。貴方の生命を繋ぎ止めてあげる。
だから、生きて導いてあげて。
宇宙には沢山の悪い人達がいる。その人達の野望を阻止してあげて。
私はずっと、平和を望んでいるから。』

エトラトル!エトラトル!

…目を覚ますともう、彼女の姿はなかった。
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