サレンの考えに、うむ、とリュートは相槌を打った。
その後に出た答えは、サレンを驚かせた。
「だがあの男の判断で正しかった。あの男は大量のＨＲとぶつかった。皆、技で翻弄させる戦術を使用した敵だ。子供達ではあの男よりも苦戦しただろう。」
「叫ぶだけの敵１体の方が、相手しやすいって？」
「やはりそう考えていたか。俺も似たような考察だ。」
はいお茶、とアレックスは２人に渡した。
「ありがとうございます。」
「おかわりはある。遠慮せず飲んでいいぞ。」
いただきます、と言って２人はお茶を飲んだ。
リュート達の話は続く。
「ご存じかもしれんが、ＨＲには同調性がある。」
「特化した力がない場合、他のＨＲと共に行動する、協調性のような？」
「そうだ。今回のＨＲは悲鳴を上げてダメージを与えるという、変わった攻撃をする。」
「しかし、それ以外の攻撃はない。総合的には能力は低めだな。」
リュートはお茶の残りを少しずつ口に入れた。
まだお茶は残った。