4・暴挙の日

『そのまままっすぐ突き破りや!』
武人の叫びも受けて、【パスティーユ・サニー】はなんとか脱出した。
【ブラッドガンナー】の懐に飛び、捕まえてもらった。
【サニー】の装甲はどこも赤い油まみれになっていた。

その背後で、ヒスロはウオオオオと嘆いていた。
鼓膜が破れそうになる程に。
ヒスロの胸元は、【パスティーユ・サニー】が突破した穴ができていた。
『心臓』は…外に抜け落ちていた。
既に脳が破壊されていたヒスロは、叫び喚くしかなく。
HR形態の関節部から、多数の爆発を起こしていた。

武人と3兄妹達は撤退を始めていた。
モニターで大爆発を黙って見ていた。
(『心臓』だけは、いじられなかっただけ幸いや。)
【ブラッドガンナー】は少しだけ頭部を後ろに向けた。
武人には、少しだけでもヒスロの最期を目に焼き付けようと思っていた。
(ごめんなヒスロ・インフィ。ラルクは卑怯な手を使った臆病者だと、あの世で憎んでてくれ。)
頭部を前方に戻した。
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