4・暴挙の日

武人、3兄妹、操縦士のやり取りは通信回線だが、敵に傍受されないプライベート回線を使用した。
【アング・ウォール】1体のみだから、敵は細かい仕掛けは取らないとは見ているが。
(勘は鋭いんや…通信漏れで気づく可能性もある。)
武人はずっとヒスロの相手をしていて、彼の特性を発見した。
操縦士の通信より、【パスティーユ】がヒスロがいる現在の孤島の近海に到達したとの連絡が入った。
武人は小さめの声で、
『合図は後で送る。岩山の近くにおるんやな?』
と操縦士に伝えた。
岩山とは言え、人間がよじ登れるほどの小さな山。
武人は未衣子達が潜む場所として、目印をつけた。
(狙い目はコイツの背中や。それで一気にケリをつける。)
ヒスロとの対決の最中に、武人は岩山とヒスロの動きを見ていた。
岩山の近くに。背中を向けるように。
武人はこの2つのポイントを意識して、戦闘に応じた。

チャンスは巡ってきた。
勇希にタイミングがやってきたと小声で連絡した。
34/37ページ
スキ