4・暴挙の日

ヒスロの場合は脳の機能が完全に崩壊しているように見えた。
今紹介したのが全て仮定として語るのは、武人とヒスロがお互い初対面だからだ。

ゴングは鳴り響かないが、戦闘が始まった。
いや、既に開始していた。
ヒスロは拳を決める。武人は難なく交わしていく。
武人は無闇に発砲しなかった。
ヒスロはダメージを受けると、吸収して体格の膨大化に繋げるからだ。
だから武人は、心臓部分が狙える位置からしか、発砲しなかった。
心臓部分が狙える位置でも、よほどギリギリの箇所でなければ発砲しなかった。
なぜならば、武人達[ラストコア]側には秘策を用意していたからである。
【パスティーユ】はやや離れた太平洋の海中に潜っていた。
【サニー】の姿でひっそりと近づいた。
白井3兄妹に緊張が走る。
相手は武人と交戦中の巨人。
水中では一定時間以上の維持は難しいと聞かされた説明。
短い時間で、巨人を仕留めなくてはいけない。
プレッシャーが重かった。
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