4・暴挙の日

☆☆☆
武人と白井3兄妹は覚悟を決めた。
失敗すれば後戻りはできない作戦に。

敵のヒスロのHR形態【アング・ウォール】の体格は、高層ビルに匹敵する程の巨体だった。
孤島の地面があまり崩れてないのが奇跡である。
巨人に4人が挑む。
表面上は、武人のみが相手をするが。
(もう、腹を括るしかないわな。)
『よお、アンタがヒスロ・インフィやな?』
名前の確認を取らなくても、武人は巨人が誰なのかはわかっていた。
武人は対面が初でも、噂は知っていた。

己の怪力で星を潰した男の噂。
目の前の男がそうかもしれない、と武人は信じていた。
ヒスロに武人の声が届いているのかは、不明だ。
自分の拳で敵を追いやろうとはしていはいるが、言葉が返ってこない。

巨大化が影響を与えている可能性はわからないが、否定はできないだろう。
HR形態は細胞分裂と細胞破壊の周期運動を伴う。
強靭な身体になる一方、犠牲になる機能も存在する。
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