4・暴挙の日

サレンさんが訴える問題と、王子の思いやりはよくわかる。
でも、私は、私達は連れてこられてから危険な仕事を任されているのは十分聞かされている。
だから何としても、この強敵を倒す課題をこなさなくてはいけない。それに。
「やります。」
武人兄ちゃんだけを私は犠牲にしたくない。

『正気なのか!?』
王子が大声で言った。王子は優しいね。
でも、子供だからって止まれないよ。
今の敵はいずれ、地球を真っ二つにするだろうから。
「お兄ちゃん達もそうだよね。」
『俺はいいが…勇希、未衣子、お前達まで、』
『俺はいいぜ。未衣子は…変わりそうにないしなぁ…。』
意外と兄達があっさり承諾してくれてよかった。
これで迷わなくて済む。
『…本当にええんやな?』
武人兄ちゃんの問いは、私達を追い詰めるように聞こえた。
今更怖くて嘆いても変わらないから、はい、と答えた。
「これからどうするのか、具体的に教えてください。指示通りに動きます。」
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