4・暴挙の日

故に常にうるさい勇希兄ちゃんの狼狽ようはよくわかる。
わかるけど、本当に大丈夫かな。
このまま、終わってしまうのかな。

ここで武人兄ちゃんが口を開いた。
『ちょっとええか?子供らも王子達も。一か八かの賭け事になるんやけど。』
やっぱり武人兄ちゃんも、運に賭けるつもりなんだ。
『俺が囮になる。その代わり、誰か背後から奴の心臓を貫いてくれへんか?』
半分は想定内だ。
賭けに出るしかないのは皆わかりきってたから。
もう半分…武人兄ちゃんが囮?
兄ちゃんが、倒されるの…?
黙って聞いていると、王子が回線越しに申し出た。
『我々が出る。子供達には酷な作戦だ。』
しかし、それはサレンさんに止められた。
『無茶よ!もうエネルギーの蓄えはほとんどないわ!』
『子供達を危険に晒すのは…【ホルプレス】共とわけが違うのだぞ!』
【ホーンフレア5th】は私達が来るまで必至に戦っていた。
エネルギーが尽きるのは当たり前。
補給をするのも時間がいる。
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