4・暴挙の日

☆☆☆
緑の閃光は、流星みたいに綺麗だった。
うわぁ、と見とれてしまった。

私達と武人兄ちゃんは、別のシャトル内で待機していた。
すぐ飛べるよう、ジェット機に乗ったままで。
王子のロボが弓矢で敵を狙って放つ瞬間を、モニター越しで確認した。
凄い威力だ、敵も倒れる筈、だった。
操縦士さんの報告で、敵は未だに生きていた。
しかも、矢を放つ前より体格が大きくなっている。
地図上の赤い点もついたまま。

『そんな…敵は殆ど動いてないのに…。』
『照準は合っていた…距離が、遠過ぎたのか?』
実行した2人はショックを受けていた。
私も画面上で見たからよくわかる。
『こうなったら、近づくしかないだろ!?』
『だけど、無闇に近づけば俺達どころか、武人さんや王子達も無事に帰れなくなるぞ?』
『また遠くから狙うのかよ!?』
勇希兄ちゃんは声を荒げていた。
私達3兄妹は経験が少ないのもあるけど、身体中ダメージが効かない敵は初めてだった。
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