3・糾弾の日

13年しか生きてない私が言える義理はないけど、この人にはそうしてほしいと願ったから。
「負の感情がコントロールできないなら相談して?解決する方法を一緒に考えよう?」
話をする内に、自然と距離が縮まっていた。
【フラワー】は敵のロボの正面に立っていた。
一番攻撃されやすい所に。
『やめろ未衣子!』
『武人さんはまだですか!』
勇希兄ちゃんは私を止めようとした。
和希兄ちゃんは応援を待っている。
至近距離で敵の前にいるのに、私は怖さが消えた。
敵のロボが仕掛けに来ない。
戦う意欲を失ったのだろう。
【フラワー】の手は握手を求めるように、彼の前に出した。
『いいのか?僕はHRとしても役に立たないんだぞ?』
「そんなの後から考えたらいいよ。今は貴方を救いたい。泣いてる人を倒すなんてできないよ。」
敵のロボ、もう敵じゃない。
彼は私の言葉に感応したのか、【フラワー】と反対の手を出した。
2つのロボの指先は…もうすぐ触れ合う筈、だった。
33/36ページ
スキ