3・糾弾の日

モニター越しで画質は荒いけど、濃い紫のロボの肩は上下を揺らしていた。
あんなに叫んで、疲れないのかな…。

同時に、こんな心配も抱えてしまった。
(あの人、悲しそうにみえる。何でかな…?)
倒すべき敵なのに、かわいそうだと思っていた。
急に、何か役に立てないかと、考えていた。
そうだ。試しにやってみようかな。
最初の【ホルプレス】戦では恐怖でできなかったけど、今はロボに乗っている。

説得だ。基本、交渉とか会議とか…話し合えば解決できる事もあるから。
もし彼が悩んでいて、悩みを聞いて、解決策を練れば…彼は叫ぶ苦しみから解放するんじゃ…。
「あの、聞きたい事があるの!」
『え?』『未衣子、何やって…。』
兄達には突然の行為に驚いただろう。
でもそれを私は気にしなかった。
敵のロボはまだ、ハァハァ言っていた。聞こえてないのかな?
「聞こえてる?私の声!」
もう一度、私は話しかけた。ようやく彼がこっちを見た。
28/36ページ
スキ