3・糾弾の日

小人の1人が通信回線で隊長格の小人とやり取りしている頃。
猛ダッシュしたエストは船の格納庫まで来ていた。
HR形態に変身してまで、外の宇宙に出たがっていた。
『ここを開けろ!扉を壊すぞ!』
脅しをかけたエストだが、隊長格の指示を仰いだ小人達は潔く後方の巨大な扉を開けた。
エストは宇宙へ出た。
しかし、問題はある。大気圏突入についてだ。
考えなしに突発的な行動を取ったエストだが、HR【ティア・ルーチン】には両腕にシールドが備わっていた。
これが自身を守る盾となった。
やがて空の色は明るくなり、エストの目にも緑色と茶色を視認するようになった。
【ティア・ルーチン】はドォン!と両足をつけて着地した。
動物が逃げ回る程の轟音。
着地点にはロボの足跡が深く刻まれた。

着地点から1歩前へ、動いただけ。
エストは高らかに叫んだ。
『出てこいラルク!お前をクーラン様に献上する!』
そこは荒地で、地球人はいなかった。
17/36ページ
スキ