3・糾弾の日

私は黙り込んだ。王子にはお見通しなのかな、と思ったから。
「もういい。質問を変えよう。」
王子は話さない私を見て、話を切り替えた。
「君は何故、毎日この基地に来ている?学校などあるだろう?」
「学校は行ってるわ。その時は終わってから来ているよ。」
「しんどくないのか?」
「むしろ楽しいよ。新しい事に挑戦できて。」
「それが何を意味するのか、わかってやっているのか!?」
王子の声のトーンが大きくなった。
これは多分、私達子供を心配しているサインなのは、理解できた。
「…教えてもらってる。危険なのは。でも私、学校が嫌いなの。無理して通ってるの。」
「学校が嫌い…?」
王子は驚いた。彼からしたら、学び舎を嫌うなんて考えられないんだろう。
「いじめられてるの私。だから外では私1人にしない決まりができて…。」
「君は1人でも来ているだろう?」
「勇希兄ちゃんの空手について行く、って言って出て来たから。帰りは迎えにくるよ。」
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