3・糾弾の日

「それだけで、足りるんですか?」
「ああ…。随分量が多いようだが、君は食べられるのか?」
「朝はたくさん動いたから食べられるよ。」
訓練を通して、鍛えられてきたから。と私は続けて言った。
そうか、と王子が反応した後は、2人の間に沈黙が続いた。私もどう話したらいいか難しくて…。
でも、このままでは何も始まらない。
私は勇気を出して、王子に話しかけた。
「あの、」「君は…奴についてどう思っている?」
王子が喋り出した。奴…?
「武人兄ちゃん?」
「そうだ。純粋な少女である君は、奴を慕っているのか?」
「助けてくれたんだよ?兄ちゃんは私達を。」
「奴は犯罪者なんだぞ。」
「犯罪者…?私にはそうには…。」
と言いかけた私は、思い出したのだ。
兄ちゃんが言った、『敵になったらどうする』という問い。
私はまだ答えていないのだ。お箸の動きが遅くなった。
「…何か、奴が言ったか?」
王子が私の食べる動作を見て言った。
13/36ページ
スキ