2・復讐の日

『ほー。さっきの球は感電効果もあって立たれへん奴おるけど、よう立てたなあ。』
『何を…』
『お前にはミスもあるわ。今いる演習場の地面は浸水対策でな、硬めにしてるんや。』
『しまった!』
王子は武人兄ちゃんの指摘で、自分の失態に気づいた。

地面が硬いのは私も知ってる。
王子のロボの右脚から、バチバチと火花も出ていた。
動きにくそう。

でも王子は諦めなかった。
『これくらいでは止めないぞ!』
『ほう。強いなお前。』
武人兄ちゃんは未だピンピンしている。
銃を小型に切り替えて弾を乱射した。
王子のロボも必死にかわした。
武人兄ちゃんは行動も素早かった。
負傷気味の王子のロボに接近戦を仕掛けようとする。

『遠くから狙う方が勝ちやすいけどなぁ。近接戦しか無理そうやし。』
すると、兄ちゃんの一言で癇に障ったのだろうか。
王子のロボは腰に付けた小さな矢をたくさん、兄ちゃんに投げつけた!
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