2・復讐の日

男は飲料を一口飲んだ。
再び船の窓から、宇宙を眺めた。

「父上が渋るのはよくわかる。私はこれから悪の血に染まるだろう。」
「リュートにはあの人と因縁関係があるんでしょ?利害関係がはっきりしてるなら、悪の血に染まったと言えないわ。」
「だが星の民が納得するのか…。」
「今更何言ってるの?王の力もあるし、あなたはやり返す側よ。みんなも納得してくれると思うわ。」
「…。」
「第一、あなたに拾われた私が納得しているんだから。リュート、あなたの味方はいるわ。」
「すまない、余計な事を考えてしまった。」
男・リュートに笑みが戻った。

「やっぱり、少し休む。」
「わかったわ。地球に降下する時に呼ぶね。」
「ああ。」
リュートは自動ドアを開き、コントロールルームを後にした。
出入り口とエレベーターは直結している構造だった。
(奴はこの手で…死んだ同郷達が報われない。)
リュートは飲料を強く握った。
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