2・復讐の日

「奴は…!」
リュートは自然と後ろに背負った物体を掴んでいた。
布に包まれていたので、それを外した。
すると、典型的な槍がリュートの手にあった。

サレンは咄嗟に驚いた。
アレックスに至っては後ろに滑ってしまって尻もちついた。

だが、大して動揺しない者もいた。
ロボットとの戦いに慣れている武人にとって、リュートの突撃なんて十分かわせた。
だが無我夢中に、リュートは槍で刺そうとする。
矛先に血が付着しなかった。

サレンはやめて!と叫ぶ。
アレックスは壁に隠された小型AIを射出し、警報を鳴らせと連絡した。
「HRの不在確認をした癖に、貴様らは犯罪者を匿っているのか!」「犯罪者…な。」
リュートの怒鳴り声と武人の呟きである。

アレックスの命令したAIは2人を威嚇する。
所詮小型なので落とされた。
警報も鼓膜が破れそうな程に鳴り響く。
アレックスは壊す気かと未だ叫んだ。
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