14・忘却の日(終)
未衣子は平然としていて、俺達の慌てぶりに首を傾げていた。
「ご飯はもちろん食べるぜ!」
「その前に未衣子、今わかった事を話したいんだ。《武人兄ちゃん》なんだが…。」
兄貴は事実を話そうとした。妹の左肩に手を置いていた。
話が途切れたのは、未衣子の反応が割り込んだからだ。
え、という声を聞いた俺達は、もしかして夢で彼の行方を見たのだろうか…と推測した。
俺達の説明で行方不明の事実が判明し、妹が泣き崩れると予想した。
予想は、裏切られた。未衣子本人の、反応後の発言によって。
「《武人兄ちゃん》?
誰なのその人。新しい家族でも増えたの?」
この発言は、逆に俺達に動揺を誘っていた。
おかしいと疑った俺達は、もう一度尋ねた。
「家族じゃないけど、家族のような存在の《武人兄ちゃん》だぞ。」
「知らない。」
「お前結構慕ってたじゃねぇか。《武人兄ちゃん》頼りに毎日[ラストコア]に行ってるし。」
「知らないわ。」
一点張りに《知らない》発言を繰り返した未衣子。
冷静さに欠けていた俺は、未衣子の発言に腹が立って声を荒げてしまった。
「俺達をからかっているのかよ!あれだけ《武人兄ちゃん》に会いに行きたいが為に、俺達を足として使いやがって!」
「足として使ったのはお婆ちゃんの言いつけだからでしょ、仕方ないわ。」
「ご飯はもちろん食べるぜ!」
「その前に未衣子、今わかった事を話したいんだ。《武人兄ちゃん》なんだが…。」
兄貴は事実を話そうとした。妹の左肩に手を置いていた。
話が途切れたのは、未衣子の反応が割り込んだからだ。
え、という声を聞いた俺達は、もしかして夢で彼の行方を見たのだろうか…と推測した。
俺達の説明で行方不明の事実が判明し、妹が泣き崩れると予想した。
予想は、裏切られた。未衣子本人の、反応後の発言によって。
「《武人兄ちゃん》?
誰なのその人。新しい家族でも増えたの?」
この発言は、逆に俺達に動揺を誘っていた。
おかしいと疑った俺達は、もう一度尋ねた。
「家族じゃないけど、家族のような存在の《武人兄ちゃん》だぞ。」
「知らない。」
「お前結構慕ってたじゃねぇか。《武人兄ちゃん》頼りに毎日[ラストコア]に行ってるし。」
「知らないわ。」
一点張りに《知らない》発言を繰り返した未衣子。
冷静さに欠けていた俺は、未衣子の発言に腹が立って声を荒げてしまった。
「俺達をからかっているのかよ!あれだけ《武人兄ちゃん》に会いに行きたいが為に、俺達を足として使いやがって!」
「足として使ったのはお婆ちゃんの言いつけだからでしょ、仕方ないわ。」