14・忘却の日(終)

…そうか。これは誰かがくれた恵みなんだ。
ずっと涙が枯れていた私を後押しするように。

もう一度、普通に暮らしていけるように…。

これは私への励ましなんだ。
私が強くなれるように。

ありがとう。《知らない人》。
私はもう、自由に生きていけるよ。

本を棚に戻す前に、私は涙を袖で拭った。
本を戻してから、私はカフェラテのカップを持って、部屋を出た。





☆☆☆おしまい☆☆☆



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