14・忘却の日(終)
☆☆☆
未衣子の付き添いで、俺や兄貴も別の部屋で寝泊まりしていた。
訓練自体が自由参加でも、体調のリズムは整えておかないと、健康体を保てないと指摘されて。
パイロット期間中と同様に規則正しい生活を送っている。
就寝時間も、毎日決められた時間に設定していた。
俺は元々朝型だから、目を瞑って寝息を立てるのは早かった。
清潔なベッドの中で、俺はぐっすりと眠った。
と思っていたのに。俺は…起きていた。
起きていて…感覚がおかしいなぁ、と気がついた。
あるはずのベッド一式が消えていて、寝巻き姿の俺は宙に浮いたままだ。
しかも…足場らしき地面や、頭上の天井すら存在しない、謎の明るい空間。
「あれ?何だここ…。」「勇希!」
兄貴の声が聞こえた。
後ろを向くと、寝巻き姿の兄貴がふわりと飛んできた。
兄貴も浮いていたから、俺の肩に手を置いた。
明るいだけの空間では、触れる物体は俺達のみ。
感覚がおかしくなって、気分が悪くなっていく。
表情が一変するまでじゃないから、普段の俺を保てていた。
「よかった…。俺1人だけ彷徨ったのかと思えば…。」
「奇遇だぜ。俺もひとりぼっちで迷ってんのかビビってしまったし。」
安心、安全な空間にいると決まった訳じゃない。
未衣子の付き添いで、俺や兄貴も別の部屋で寝泊まりしていた。
訓練自体が自由参加でも、体調のリズムは整えておかないと、健康体を保てないと指摘されて。
パイロット期間中と同様に規則正しい生活を送っている。
就寝時間も、毎日決められた時間に設定していた。
俺は元々朝型だから、目を瞑って寝息を立てるのは早かった。
清潔なベッドの中で、俺はぐっすりと眠った。
と思っていたのに。俺は…起きていた。
起きていて…感覚がおかしいなぁ、と気がついた。
あるはずのベッド一式が消えていて、寝巻き姿の俺は宙に浮いたままだ。
しかも…足場らしき地面や、頭上の天井すら存在しない、謎の明るい空間。
「あれ?何だここ…。」「勇希!」
兄貴の声が聞こえた。
後ろを向くと、寝巻き姿の兄貴がふわりと飛んできた。
兄貴も浮いていたから、俺の肩に手を置いた。
明るいだけの空間では、触れる物体は俺達のみ。
感覚がおかしくなって、気分が悪くなっていく。
表情が一変するまでじゃないから、普段の俺を保てていた。
「よかった…。俺1人だけ彷徨ったのかと思えば…。」
「奇遇だぜ。俺もひとりぼっちで迷ってんのかビビってしまったし。」
安心、安全な空間にいると決まった訳じゃない。