14・忘却の日(終)
「俺が10歳の時に、病気で…。」
「この世にはいないと。」「そうです。」
兄貴の軽い説明で、王子はうむ、と考え込んでいた。
だけど王子からの質問は、ここで終わらなかった。
質問じゃなくて、頼み事だった。
「母君の写真など…記録保存されている媒体は所持していないか?」
「媒体?アルバムみたいな?」
「…家に探せばあるかもしれませんが…もう7年も前で俺も顔をはっきり覚えていなくて。
地球では写真という紙媒体がまだ主流なので、丁寧に保管していないと…。」
「…わかった、この話はなかった事にしてくれ。」
王子はカウンターで注文したランチを受け取った。
「サレンがもうすぐ来る。私は先に席についておく。
私達も今は自由な身だ。後からゆっくり雑談でもしよう。」
王子はランチを席まで運んでいった。
サレンさんの分も出来ていて、後は彼女が取りに来るだけだった。
「俺達も何か頼もうか。」
兄貴が言ったので、俺もランチを選んで食べていた。
「この世にはいないと。」「そうです。」
兄貴の軽い説明で、王子はうむ、と考え込んでいた。
だけど王子からの質問は、ここで終わらなかった。
質問じゃなくて、頼み事だった。
「母君の写真など…記録保存されている媒体は所持していないか?」
「媒体?アルバムみたいな?」
「…家に探せばあるかもしれませんが…もう7年も前で俺も顔をはっきり覚えていなくて。
地球では写真という紙媒体がまだ主流なので、丁寧に保管していないと…。」
「…わかった、この話はなかった事にしてくれ。」
王子はカウンターで注文したランチを受け取った。
「サレンがもうすぐ来る。私は先に席についておく。
私達も今は自由な身だ。後からゆっくり雑談でもしよう。」
王子はランチを席まで運んでいった。
サレンさんの分も出来ていて、後は彼女が取りに来るだけだった。
「俺達も何か頼もうか。」
兄貴が言ったので、俺もランチを選んで食べていた。