14・忘却の日(終)

★★★
「あ、和希君と勇希君ね?」
食堂でランチのメニューを眺めていると、後ろからサレンさんに声をかけられた。隣にリュート王子もいた。
「今からランチなの?」「そうですが…。」
「なら席を広く取るから、一緒に食べましょ?」
サレンさんは王子に一言言って、席の方へ向かった。
男3人だけで食堂のランチを選んで、出来上がりを待っていた。

「未衣子はどうしたのだ?」
「彼女にも連絡は取りましたが…勉強が落ち着いてから行くと。」
「いくら健康体だったとはいえ、根を詰め込みすぎると身体に毒だぞ。」「俺も…肝に銘じておきます。」
兄貴が王子と会話していた。

俺も会話に加わろうと、自分から話を切り出した。
「王子達は何で今もいるんだ?みんな帰ってるのによ。」
「君達の異変を、アレックスから聞いたのでな…。」
「変わってるのは…未衣子だけなんだけど。」
「家族に不調があれば気遣うのは当たり前ではないのか?」
王子がそう言った。
俺はそうだな…と王子の発言に納得していた。

「私の場合は他にもあるのだが…。未衣子の今の異常性に、我々他星人側から推測できる根拠はないかと尋ねられてな。
私とサレン、同じく長期滞在する同朋達と情報共有と交換を行ったのだ。」
「俺達がアレックスさんと相談している時にですか?」
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