13・奪還の日

道中で分岐点も発見したので、別ルートを残存兵の1人に行かせたのだけど、こちらも最後は《行き止まり》の壁だった。

《搬入口》という名は物品の出入り口だし、倉庫のような部屋があってもおかしくないけど。
倉庫もなければ、《行き止まり》の壁の隅に荷物が置かれているわけでもない。
この搬入口とそれに伴う通路が、一体何の目的で利用するのか、わからなかった。

用途不明な建物に《行き止まり》。
私達は悩んでいた。
早く武人兄ちゃんを助けないと、彼が危なくなるのに…。

《行き止まり》と確認した地点で私達は集合した。
この地点は通路内の最奥部と認識している。
元々《Unknown》表記なので、せめて目印となる地点は確保したかった。それで搬入口付近と最奥部の中央側の《行き止まり》を目印に設定した。
作成した地図のデータだから、信憑性は薄いかもしれないけど、信用しなければ後がしんどくなるから。

『これ、入り口でよかったのかよ?』
何もねぇじゃん、と勇希兄ちゃんがブツブツ言った。
『…まあ一か八かの賭けだからなぁ。間違いの可能性はあったよ。』
『すみません。我々の能力不足で。』
『いいえそんな、逆に追撃される事なく侵入できましたし。』
「そう言えば…。」
和希兄ちゃんの発言で今までの経路を振り返ってみた。
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