13・奪還の日

ジェームズが連れてきた志願兵達の【軍用機】は、【パスティーユ】より耐久性が低い以外、性能は高水準だった。
だが今回の宇宙戦が初陣の志願兵達には、操縦技術も戦闘技術も未熟であった。
【コードS】状態を保ったまま、広範囲の遠距離攻撃を仕掛けていく事しかできなかった。
敵の攻撃の猛威でタイミングを読み取る事ができず、3機合体ロボの【軍用機】は【コードS】からチェンジしなかった。
時々敵が疎らになった状態でジェームズはチェンジしろと指示を出しているものの、初陣の志願兵達は前に進めなかった。

堕ちるかもという恐怖に、若者達は煽られた。
実際に側近兵や残存兵達の数人の散りざまを目撃している。

土星圏の宇宙船の乗組員達は、同郷の者に応援要請を出していた。
要請に応じた宇宙船がやってくるという報告も受けている。

(【パスティーユ】を残すのがよかったか…。)
宗太郎は頭を抱えていた。
気を急ぎすぎたと反省した。
しかし首を左右に振って、持ち直そうと決意した。
後悔しても、勝ち目は無い。

何か打開策を探さなくては、と宗太郎が出した答えは、命令となって現れた。
「出港口を潰せ!侵入は不可能になるが、黒川救出後は必要ない!
HR達の出入りを潰せ!」
前線にいた兵達の照準が出港口に変更された。
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