13・奪還の日

武人兄ちゃんの話は終わらない。
『せやけど、クーランはHRと違う。あのクモの母体は宇宙船から来とる。
今までの激戦を繰り広げてきた君らやったら勝てる。
これで負けたら…まあごめんと謝っとくわ。』
『んな事ねぇよ!俺達覚悟の上でここまで来たんだぜ!勝てるんなら心配ねえだろ!』
『まだ【フラワー】で痺れさせただけだろう…。期待を大きくしすぎだぞ勇希。』
「和希兄ちゃんは冷静に物事を判断できるのはいい所だけど、今は逆に強気に出るべきだよ。」
『ハハハ。未衣子に言われちゃあ俺もおしまいだな…。』
和希兄ちゃんは私のコメントに笑って対応していた。

雑談はここまでにして。
いよいよクーランとの直接対決が始まる。
武人兄ちゃんが狙うポイントを指定してくれた。
『いいか?君らは分離したクモの腹部分の…動力エンジンがあるやろうと思う。危なっかしいけど、そこをぶち破っていくんや。
エンジン破壊したら、そのまま帰るんや。』
「兄ちゃんは?」
『俺はクーランが操縦するブリッジ付近を壊して、奴を仕留める。
大丈夫や。それが終わったら俺も戻る。』
「わかったよ。必ず戻ってきてね!」
『君らもな!』
【フラワー】と【ブラッドガンナー】は各々の作戦行動に移る為に別れた。
【ブラッドガンナー】は威嚇射撃をした。
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