13・奪還の日

【軍用機】に乗る志願兵達は遠方にいたから助かっていた。
しかし、恐怖を植え付けられた影響で【コードS】特有のロッドの攻撃を繰り出すのに躊躇した。

『糸吐くのを封じるだけでかめへん!どんどん放っていくんや!』
『おい!』
『何や王子!流石に動かんと巻き込まれるで!』
『奴の心臓部はどこだ!それさえ示せば、一撃必中で機能停止も可能だろう!』

【ブラッドガンナー】の状態で表情は隠されているが、武人はフッ、と笑った。
『…そうか。秘密兵器やったら他にもいたな。
自分の身体に限界が来すぎて、無我夢中で熱くなってしもうたわ。ごめんな。』
【ブラッドガンナー】はゆっくり上昇した。
『まず糸を吐けへんように俺らが前線で格闘しとく。
見つけたら、そこに照準合わせてくれ!
上手い事…胴体をひっくり返す。』
『貴様!そんな身体で…』
『今そんなむせてないから平気や。』
武人は前へ加速していった。
スピードは衰えていない。
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