13・奪還の日

故に巨大グモとスレスレの所まで詰め寄る必要はない。
【ブラッドガンナー】の隣に、3兄妹に付き添ったHR形態の残存兵、整備完了した【ホーンフレア5th】が追いついた。
彼らの後ろに出港口側で激戦を潜り抜けた残存兵・側近兵・【軍用機】達が立っていた。
宇宙船類は、背後に控えていた。


『貴様!状態が悪いと聞いたぞ!』
リュートの怒りだった。
彼は彼なりに、武人の心配をしていた。
『最善の策を取っただけや。【パスティーユ】はもうじき戦闘に加入しよる。できる限り万全の対策で挑ませたいんや。』
『だとすれば…何故司令に探索の依頼をかけたのですか?』
今度は残存兵が尋ねていた。
彼の疑問はごもっともであり、臨時体制ならば先に問題解決を図るのが、被害の縮小に繋がるからだ。

しかし武人は、宗太郎への探索依頼も問題解決の1つとしていた。
『簡単に言えば、動力源の問題や。
子供達が潜入した時、地上の電力室が破壊されたんや。』
『…セキュリティが緩くなった原因も…?』
『あの子らはなりふり構わず破壊し尽くして、俺を探しにきただけやろうけどなぁ。
地上の電力室が破壊されたんやったら、あの巨大グモの生成は…地下の電力か、宇宙船が跳ねたかやな。』
『もしかして…能力値も変化するって事ですか?』
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