13・奪還の日

☆☆☆
白井3兄妹とビウス残存兵の数人が武人の救出活動に専念している中。

タレスの出港口が見える外宇宙では、未だに激しい戦闘が繰り広げられた。
宗太郎率いる[ラストコア]の部隊と、クーランが送り出したHR達とビーム兵器の攻防に、終わりが見えない状況であった。
敵のビーム兵器とHRの出撃は、交互に行われた。
実際には戦力の配分が均等になされているだけで。
ビーム兵器が猛威を奮っている時、HRは少数のみの出撃。
HRが多数出撃時に、ビーム兵器は一時停止し、補給準備に入るらしい。

宇宙船のブリッジの中で、アレックスが分析して出した仮定だ。
正直な所、武器や兵士をたくさん出して体力や精神力を削っていく戦略しか見えてこないせいで、『仮定』としか言いようがなかった。
宇宙の地理的なデータでも『火星圏タレス』と記載されており、[レッド研究所]の存在も武人から聞かされているのだが…。

(同レベルの敵ばかり…)
[天海号]のブリッジの艦長席で、宗太郎は親指を口に当てていた。
彼もモニター越しに激しい戦禍を見守っていた。
時に艦長らしく、司令官らしく、[ラストコア]のスタッフや助っ人の他星人達に指示を出すが。
(戦闘開始からどれくらい経っているのか…。補給と再出撃の繰り返しばかり。)
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