13・奪還の日

「何…?地上の電力室の…破壊だと!?」

ガシャン!と物が壊れる音がした。
クーランは両目を大きく開いたまま、武人が拘束されているベッドへ、ゆっくりと振り向いた。
いや、もう拘束は解かれていた。
武人を拘束していた鉄製のリング達は、上の欠片が破られて床に落ちていた。
武人はベッドの上に座った状態で、手首を軽く握っていた。

「やっぱりな。クーラン、自分の家の庭はちゃんと手入れせなあかんで?」彼は不敵に笑った。
2人の表情が逆転する瞬間だった。
あれだけ妖しげな笑みを晒していたクーランだが、とうとう笑顔がなくなっていた。
「お前…どこまで漏らした?」
「そりゃあ敵の情報は漏らさんと、攻略でけへんからなぁ。」
「《息子》の癖に、調子…こきやがって。」
「ふざけてへんで俺は。お前の事は、《生かしておけん危険人物》と認識しておる。」
ニヤニヤ笑う武人の背後、部屋の壁が一気に粉砕されていた。

奇跡的にベッドは下の階に落ちずに済んだ。
ベッドをすっぽり収める大きな手が受け止めていた。
「お、おお…。」
クーランは壁を粉砕されたと同時に、尻餅をついてしまった。
目の前に現れた巨大ロボを見て、しばらく言葉が出てこなかった。

最近クーランが悩まされていた、地球産のロボ。
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