13・奪還の日

「和希兄ちゃん、勇希兄ちゃん!」
『ああ、地図データが復活したんだ!』
『真正面の奥に示されてんのかよ!』

勇希兄ちゃんが怒鳴った。
ちょっと現状を嘆きたい気持ちもわかる。
光線のトラップを潜り抜けた先に、地図データが示す道のりが確保されているんだ。
潜り抜けないと進めない。

ここで残存兵の1人がこう進言した。
『無茶苦茶な戦術を取りますが、トラップセンサーの光線を封じましょう。
空間の壁の中にでも、光源がのめり込まれている筈です。』
もう1人の残存兵も言った。
『見張り役の者も呼びましょう。現時点で一番危険なのはこの領域ですから。』
ビウスと一緒に戦場を潜り抜けた人達だから、冷静に打開策を考えてくださっている。
これはもう、逃げ出せない。
逃げるつもりは微塵もないけれど。

『もうこうなったら、突き進むしかねぇぜ!』
『地図データが復活している。武人さんの元へ導いてくれると信じよう!』
「そうよ、行こう!」
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