13・奪還の日

そんな不安は一旦解消された。
後に続いた残存兵達が電撃ショックの元を絶ったからだ。
『大丈夫ですか!』「あ…はい。」
『い、いきなり攻撃くらうとか…。』
『!?これは…?』
和希兄ちゃんが何かに気づいたようだ。
私と勇希兄ちゃんも、立ち直ってすぐにモニター画面を確認した。
コックピットの外の様子が映し出された映像。
暗いピンク色の空間に、赤く光る光の線が何十本も交錯されていた。
空間自体は何の障害物もない、だだっ広い部屋だった。
人間の10倍以上は大きいロボでも、天井まで全然手が届かないから。

他にも、トラブルが発生していた。警報のアラームだった。
耳を塞ぎたくなる程のけたたましい音量で、何回も鳴らしてくる。
視認できる光の線はもはやトラップの防戦だろう。
警報が鳴っているという事は、近々追手の攻撃もある筈だ。
『やはり、引き返すしかありませんか…!』
残存兵の1人が落胆気味に言った。

ところが偶然、私達に光明の兆しが見えるようになった。
【サニー】、ひいては【パスティーユ】の地図データが正常に機能し始めた。
わかりやすく言うと、今まで《Unknown》の点滅表示が繰り返されていたが、文字は完全に消えた。
逆に大広間の空間を出発点に、道が形成されていった。
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