13・奪還の日

それに…これは自分勝手な思いになるけど。
私達の[ラストコア]の一員として、【パスティーユ】のパイロットとして務めるのが、この救出イベントが最後かもしれない。
延長期間も3ヶ月で、地球では9月に突入している。
この任務が終われば、武人兄ちゃんと離れ離れになるだろう。
最後の最後で、後悔したくないから。

「予備エネルギーの蓄えはあるし、時間はないと思います。
壁を壊して進みましょう。
私は今の決断がミスだったとしても、悔いは残しませんから。」

兄達は私の進言について、ただ黙っているだけだった。
最初に口を開いたのは残存兵だ。
『わかりました。我々はビウス様の意思を継ぐ者達です。ビウス様も貴女の決意に賛同なさると思います。
期待に応えられる働きができるよう、貴方方を御守りいたします。』
残存兵達は私の決断に賛成してくれた。
たった1、2週間程の付き合いだけど、すごく親しくしてくださり、感謝しかなかった。

残るは2人の兄の同意だけだった。
意見対立するかもと懸念していたけど、答えは意外とあっさりだった。
『ま、俺も他に思いつかねぇし…。兄ちゃん助けたいし。』
『未衣子が今の活動に熱中している事はよくわかっているからな。俺も…そうかな?』
『兄貴も随分見入ってたよな、ロボットに。』
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