12・潜入の日

「【フラワー】の攻撃でも潰せるわよ?」
『強行突破、って言っただろ?
【サニー】に代われよ。下から直進して、一気に入るぜ。』
『俺達はいいが…。残存兵達は?』
和希兄ちゃんは残存兵達を見た。
『見張り用に1人残します。貴方方の真後ろにつきましょう。
瞬時に進めば大丈夫です。』
残存兵達で目配りをしていた。1人が瓦礫の山に背を向けた。

『【サニー】は高火力です。近づきすぎると燃えますよ?』
『瞬足のスピードを出せますから。
道さえ作っていただければ秒で追いかけます。』
「すごい…。」
流石1HRとして戦い抜いているだけはあるなぁ、と私は思った。

『未衣子、兄貴。今から【サニー】にチェンジするぜ?いいよな?』
勇希兄ちゃんが確認した。
そうじゃなくても兄ちゃんはしそうだし、チェンジの雰囲気になってるから私達は何も言わなかった。

普段戦闘で経験してる通り、《熱融解》によるチェンジをした。
【サニー】は空手家の構えをした。
瓦礫の山の前に【サニー】は立った。
【サニー】の全身から、橙色の淡い炎が繰り出された。
炎で気合いを高めてから、【サニー】は軸の右足を前に出して、膝を少し曲げた。
両手はボクシングでパンチ攻撃を仕掛ける前のポーズになっていた。
しばらくして、【サニー】は前へ跳んだ。
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