12・潜入の日

『でしたら、ここから突入しますが…。』
『まず瓦礫のの山を退ける作業が必要ですね。』

やっぱり瓦礫の山は撤去しないといけないんだ…。
山の高さは、大体3階建の一軒家ぐらいだとモニターの計算では想定されている。
まあ4体で取り組めば…ちょっと退かす程度ならすぐに済むだろう。

ところが撤去作業に、勇希兄ちゃんが反対した。
『いっそのことぶっ放そうぜ?いらねぇモン捨ててんだろ?』
はあ。さっきの英文字の件は冴えてると評価したのに。
「勇希兄ちゃん…爆発騒動になったら、警報が鳴るかもしれないじゃない。」
私は血の気の多い兄に対して落胆していた。
私が呆れていると、頓珍漢な策を考えた張本人が逆上した。

『ガラクタを退ける時間がもったいねぇだろ!武人兄ちゃんを助ける気はねぇのか!』
その言葉に、私はハッとした。
和希兄ちゃんも残存兵達も、そうだな…と呟いていた。
『確かに時間の猶予はありません。強行突破もいいでしょう。』
残存兵の1人が賛同の意思を示していた。
他の人は何も言わなかったけど、多分同意とみていいだろう。

「じゃあ、ガラクタを破壊するわね。」
【フラワー】のロッドを瓦礫の山に向けて放とうとすると。
勇希兄ちゃんに止められた。

『待て未衣子。搬入口の扉まで潰したいんだ。』
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