11・包囲の日

「ですが私達は少佐の知人が執筆なさった小説を拝読し、考えを改めました。
一生懸命、地球の未来を見据えている素晴らしい組織だったと。
私達は共感した者同士、少佐と知人を伝い、参りました。
今までの無礼と参戦への遅延につきまして、代表でお詫び申し上げます。」
若い人達が一斉に謝った。

スタッフさん達の表情の険しさは和らいだけど、うーんと困惑している人がちらほらいた。
「全責任は俺が取る。戦闘における指揮も、元正規軍の奴に事前に話をつけている。
クーラン戦は宇宙を戦場に選ぶ程、過酷な戦になる。
人員の補充としても確保したい。
今は彼らを信じてやってくれ。」
ジェームズさんはかなり念を押していた。
実質No.2の存在でもある事務局長にここまで言われたら、スタッフさん達も黙らざるを得なかった。

暗めの空気を変える為か、西条司令が話題を切り替えた。
「そこで。彼らや土星圏の人達と残存兵を交えて、進出の3日前にパーティーを開催する。」
ミーティングってこんなに騒がしいのかな…って疑う程、今回は皆のどよめきが凄かった。
「大丈夫ですか?愛嬌市では禁止令が…。」
「[宇宙犯罪者]の再来があれば規則を科すが、現時点では発見されていないのでな。」
「前夜祭と思って、気分転換といったらええやん。ただ、お酒はお預けやで?」
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