11・包囲の日

後発の発信者はすぐに映像の一部を出した。
かなりぼやけているが、黒色の宇宙船がロボを発進させているシーンが流れていた。

「この船は…もしや!」
声をあげたのは、ビウスの残存兵だった。
兵達の間ですぐに話題が広まった。

西条司令とジェームズさんが残存兵に寄りに行った。
「何か、知っている情報があれば教えてほしい。」
「もちろんです。あれは火星圏タレスの宇宙船、[フィルプスリトル12]かと思われます。」
「私はビウス様と共に、クーランの元へ伺った経験があります。」
私達兄妹と王子達、西条司令とジェームズさんは驚いた。
訪れた過去があるなら勿論…。

「クーランの本拠地も特定できるのか?」
「タレスの位置までは把握できます。研究所は…目星はついていますが…。」
「そこは特定できた方が…。」
「ビウス様の付き添い時は、自動案内されまして…味方、身内しか受け入れない厳重体制を取っておりまして。」
西条司令はうーん、と悩んでいた。
隣にいたジェームズさんも、困ったなと漏らした。

再び、土星圏の人が意見を述べた。
「タレスに行きましょう。元々計画を立てていたのです。
調整を早めましょう。研究所の位置は捜索すれば良いだけです。」
「我々の宇宙船があれば、多視点で星全体を隈なく調査できるでしょう。」
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