10・誓約の日
☆☆☆
[レッド研究所]は実験施設から製造施設まで完備している、総合的な開発機関である。
クーランの部屋だけが、彼の仕事場ではない。
クーラン本人が部屋から出なかったのは、備え付けのモニターの通信で指示系統全般を発信できるからだ。
とうとう彼が、自室を出るようになった。
頼みの綱にしていた[宇宙犯罪者]達が、悉く消されていった。
頼り甲斐のないビウスも予想通りなのか、端末で戦況が芳しくない事を確認した。
[ラストコア]の統制制御室のような司令室は、[レッド研究所]にも存在した。
司令室に特別な名前はつけていない。が、機能は充実していた。
[レッド研究所]から発する電波の範囲は広かった。
火星圏タレスに位置するこの研究所だが、太陽〜土星圏まで電波が届いた。
天王星圏スイルのマルロ・ヒーストンと頻繁にやり取りをしていたのは、天王星圏から奥の太陽系外まで電波が届かないから。
司令室の地下は、電気が蓄えられていた。
蓄電した電気は放電し、振動が生まれ、その積み重ねが電波の距離を伸ばす仕組みになっていた。
同時にクーランは、電波が届く各惑星圏に衛星を数十機飛ばしている。衛星も立派な通信回線の強化につながっていた。
司令室は自動操縦で、基本的に誰もいなかった。
中央奥までクーランは歩いた。
[レッド研究所]は実験施設から製造施設まで完備している、総合的な開発機関である。
クーランの部屋だけが、彼の仕事場ではない。
クーラン本人が部屋から出なかったのは、備え付けのモニターの通信で指示系統全般を発信できるからだ。
とうとう彼が、自室を出るようになった。
頼みの綱にしていた[宇宙犯罪者]達が、悉く消されていった。
頼り甲斐のないビウスも予想通りなのか、端末で戦況が芳しくない事を確認した。
[ラストコア]の統制制御室のような司令室は、[レッド研究所]にも存在した。
司令室に特別な名前はつけていない。が、機能は充実していた。
[レッド研究所]から発する電波の範囲は広かった。
火星圏タレスに位置するこの研究所だが、太陽〜土星圏まで電波が届いた。
天王星圏スイルのマルロ・ヒーストンと頻繁にやり取りをしていたのは、天王星圏から奥の太陽系外まで電波が届かないから。
司令室の地下は、電気が蓄えられていた。
蓄電した電気は放電し、振動が生まれ、その積み重ねが電波の距離を伸ばす仕組みになっていた。
同時にクーランは、電波が届く各惑星圏に衛星を数十機飛ばしている。衛星も立派な通信回線の強化につながっていた。
司令室は自動操縦で、基本的に誰もいなかった。
中央奥までクーランは歩いた。