10・誓約の日

また銃声が響いた。
これもビウスの後ろにいた手下に向けられたものだ。

同時に、兄ちゃんの背後にも手下が!
和希兄ちゃんに【スカイ】で飛ばさないと、と焦燥に駆られてると。
藍色の小さな槍が、手下の心臓部分に突き刺さった。
手下は武人兄ちゃんに手を下せずに、落ちていった。
『因果関係の話をしている場合か貴様!今回はHRだらけなのだぞ!』
『わかっとるって王子。コイツは甘ちゃんやから、一言添えただけや。』
『…早くケリをつけるぞ。』
『被害が大きくならんように終わらすか。』
【ホーンフレア5th】と【ブラッドガンナー】はビウスから距離を離した。

舐められたビウスが黙るはずがなく、兄ちゃん達に攻撃を仕掛けようとした。
『批判を述べるのならば、私と勝負せんか!』
ロボ形態の彼の剣が上から下へ振り下ろされる前に、刃が何かにぶつかった。本当はぶつけたが正しいかな。

【パスティーユ・スカイ】の青く澄んだ2本の剣が防いでるから。
相手が武人兄ちゃんじゃないと知ったビウスは、すぐに【スカイ】から距離を取った。
【スカイ】の2本の剣は、目の前でクロスしたままの構えだった。
『武人さんの前に、まずは俺が倒しますんで。』
和希兄ちゃんの宣言だった。
私と勇希兄ちゃんは黙って機体の状態チェックに徹した。
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