10・誓約の日

スピードに気を取られすぎたせいか、【フラワー】に衝撃が走った。
敵のロボ軍団の1体が、体当たりして来たんだ。

「きゃっ!」
衝撃で機体の中が揺れた。私は咄嗟に変な声を出した。
【パスティーユ】は常にバリアを張っているから、ショックは和らいでいるけども。長くは保たないなぁ。

『大丈夫かお前達!』
【ホーンフレア5th】が王子に応えたのか、【フラワー】に駆け寄った。【ブラッドガンナー】は両手の銃で敵を引き離していた。
『これは速さ比べの方がええな!』
【ブラッドガンナー】の銃の1発が、敵のロボの1体の片足に当たった。
命中したロボは速度を下げた。
ロボはよろめいて、ゆっくりと下に落ちていった。
武器の剣を投げつけようとしたらしいが、追い討ちの銃弾で機能を停止させていた。

『ビウスという金星人、騎士道精神マシマシ男やから、剣同士で勝負したらええんとちゃう?』
『【スカイ】で挑むって事、ですか。』
和希兄ちゃんが呟いた。

『勇希、未衣子。今から【スカイ】にチェンジしようと思う。
バリアは張るようにしてほしいが、装甲は弱くなるだろう。
少しの辛抱、耐えてくれるか?』
モニターの四隅で兄達と連絡とっているけど。
四隅の小さい画面からでも感じ取れる、和希兄ちゃんの真剣さ。
真っ直ぐに前を見ていたから。
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