10・誓約の日

☆☆☆
[ラストコア]臨時支部でも、警戒体制は万全になされていた。
地球上に敵が出現している訳ではないのに、突然の警報。

俺はメールを送ってから、閲覧室に頻繁に通っていた。
彼女からのメールを確認したかったからだ。
この時も、メールボックスに彼女のアドレスはなかった。
警報がやかましく鳴り響く。閲覧室から出て、出撃に備えないと。

PCの電源は自動的に切れる。
USBメモリ内の画像ファイルは送っているから、荷物はない。
俺はイスだけ素早く元に戻して、閲覧室を出た。

通路は走っていい場所ではないが、走っているスタッフさんがちらほらいた。
俺は腕時計型の[転送装置]があったので、スイッチを押して一瞬で移動してもらった。
コックピットの中まで移動できるなんて、すごい機能だと感心していた。そんな感動している暇はない。
備え付けのパイロットスーツに着替えて、レバーを握らないと。

勇希と未衣子も、次々乗ってきた。
【パスティーユ】は合体前のジェット機状態。
輸送機の中に格納されたままで飛行すらもしていない。
エンジン自体は起動しているので、モニター画面で外の様子は確認できた。
大気圏に突入した宇宙船が3隻。
[ラストコア]は衛星ロケットを飛ばしていて、宇宙からの映像も入手できた。
17/33ページ
スキ