10・誓約の日
★★★
[レッド研究所]のクーランは頭を抱えていた。
自分の部屋に1歩も出ずに、ある現状に悩まされていた。
『強力なHRの不足』だった。
まず、『自慢の息子』のラルクは研究所内どころか、火星圏タレスにもいない。彼は地球に潜んでいるからだ。
次に、雇ったHR達の欠員。
エスト、ヒスロ、ニシア、マルロの4名は既に倒されていた。
依頼を行った時に拳で回線を切られたトンケも、つい最近倒されてしまった。5名全員が、[ラストコア]との関わりを持っている。
「あそこにはラルクがいるが、強大な組織には見えんがなぁ…。
だが結果ははっきり出ているしなぁ。」
以前からクーランは情報をこまめに入手していた。
マルロの報告以外でも、彼は偵察用に衛星やHRを飛ばしていた。
原始地球のロボの正体も、パイロットの素性もわかっているのだが…。
「やっぱ博識な俺が出向かんとダメだなぁ。いくらリーダー格でも、HRは思考力が欠けているわ。」
クーランがため息つきながら呟いていると、部屋の奥のモニター画面が切り替わった。
『クーラン様!』
金髪の顔の良い男性が、真っ直ぐ見つめていた。
音声のボリュームのせいか、クーランの身体が微動に揺れた。
「…ああ、金星の王子様ね…。」
相手を確認すると、彼は平静を取り戻した。
[レッド研究所]のクーランは頭を抱えていた。
自分の部屋に1歩も出ずに、ある現状に悩まされていた。
『強力なHRの不足』だった。
まず、『自慢の息子』のラルクは研究所内どころか、火星圏タレスにもいない。彼は地球に潜んでいるからだ。
次に、雇ったHR達の欠員。
エスト、ヒスロ、ニシア、マルロの4名は既に倒されていた。
依頼を行った時に拳で回線を切られたトンケも、つい最近倒されてしまった。5名全員が、[ラストコア]との関わりを持っている。
「あそこにはラルクがいるが、強大な組織には見えんがなぁ…。
だが結果ははっきり出ているしなぁ。」
以前からクーランは情報をこまめに入手していた。
マルロの報告以外でも、彼は偵察用に衛星やHRを飛ばしていた。
原始地球のロボの正体も、パイロットの素性もわかっているのだが…。
「やっぱ博識な俺が出向かんとダメだなぁ。いくらリーダー格でも、HRは思考力が欠けているわ。」
クーランがため息つきながら呟いていると、部屋の奥のモニター画面が切り替わった。
『クーラン様!』
金髪の顔の良い男性が、真っ直ぐ見つめていた。
音声のボリュームのせいか、クーランの身体が微動に揺れた。
「…ああ、金星の王子様ね…。」
相手を確認すると、彼は平静を取り戻した。