1・正夢の日

「今の、何だ?」
「ヘリコプター?飛行機?でもおかしいなあ...。エンジンの音が聞こえなくなるの。」

私は違和感を感じていた。
私が挙げた乗り物は知っての通り、上空で稼働する限りは 通り過ぎるまで音が聞こえる。

しかし、今聞こえたのは、断続的に途切れた音だった。
勇希兄ちゃんと私は、上空を見た。
天気は曇り時々晴れという予報。
多く漂う白い雲の上には、シャトルと...。

「黒っぽいのは何だよ!?」
勇希兄ちゃんが吠えた。
黒っぽいのとシャトルの間に、爆発した時に見られる炎や煙が発生していた。

愛嬌市南部・吉川区にサイレンが鳴った。
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