1・正夢の日

ふうん、と武人の返事は鈍かった。
アレックスは何も反論せず、目の前の操縦に集中する。

「のどかな街やなぁ...。」
「愛嬌市南部は自然豊かな住宅街だ。 北部と比べて公園や寺院が多い。」
「北部行ったらええんちゃう?」
「北部は商業地で建物の密集地だ。被害損額は大きい。」
「政治屋もうるさいもんなあ。庶民を守る度胸もないくせに、金にはケチつけてな...。ん、どうした?」

武人は横目でアレックスを見ていた。
アレックスの両目が大きく開いた変化に気づき、様子を伺った。

「何だ...あの光。猛スピードだが...。」
「!?」
武人はだらけた姿勢を戻した。
「レーダー反応がなかったぞ...!」
「アイツ、さらに開発進めたんやな。こんなスピードを出すロボットはそうそうおらん。」
切迫した状況でも、武人は冷静に推測していた。

「好き勝手されると落とされてしまう!バリア展開とAI 射出するぞ!」
「俺も待機するわ。」
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